Gravio HubKit インストールおよびアップグレードガイド
このガイドではGravio HubKitの新規インストールとアップグレードの手順を各プラットフォーム別に解説します。
目次
- Gravioシステム概要
- Windows版
- macOS版
- Windows版
- macOS版
- Linux版(Ubuntu AMD64/ARM64)
- 運用方法の決定
- 設定手順
- 接続方法
- セキュリティ設定
- Linux版(AMD64/ARM64)のアンインストール
1. Gravioシステム概要
Gravioは主に2つのコンポーネントで構成されています:
- Gravio HubKit: サーバーソフトウェアパッケージ
- Gravio Studio: クライアントアプリケーション(操作用)
Gravio HubKitはWindows、macOS、Linuxの3つのプラットフォームで利用可能です。Gravio Studioは、WindowsではMicrosoft Store、MacではApp Storeからインストールできます。
重要: Windows版のGravio HubKitをインストールする場合は、先にMicrosoft StoreからGravio Studioをインストールしてください。
1.1 Gravioが利用するネットワークポート
GravioのHubKitの各サーバーモジュール、Gravioコンフィグレーションマネージャー、Coordinatorは以下のポートを利用しています。
インバウンド(Gravio 6.0以降)
| サービス名/プロセス名 | プロトコル | ポート |
|---|---|---|
| Gravio HubKit Web UI | HTTPS | 443 |
| Gravio App Service | HTTPS | 29443 |
| IVAR, i-PRO用エンドポイント | HTTPS | 29448 |
HubKitとChrome castを使用する場合は、これらのポート番号うち、「Gravio App Service –HTTPS:29443」をHubKitのインストールしているPCでポートを開ける必要があります。
アウトバウンド(Gravio 6.0以降)
| サービス名 | プロトコル | ポート |
|---|---|---|
| DNS | UDP/TCP | 53 |
| NTP | UDP | 123 |
| HTTPSサーバ | HTTPS | 443 |
これらのポート設定を適切に構成することで、Gravioシステムが正常に通信できるようになります。
2. プラットフォーム別インストール手順
2.1 Windows版インストール手順
Windows版のHubKitを新規インストールする場合は、以下の手順で簡単にインストールが完了します:
- Gravio HubKitをダウンロード: https://www.gravio.com/jp/download からインストーラをダウンロードします。
- ダウンロードしたインストーラを実行: インストーラがセットアップの全過程をガイドしますので、画面の指示に従って進めてください。
- 初期設定: インストール完了後、Gravioコンフィグレーションマネージャーで初期設定を行います。
これだけでWindows版HubKitのインストールは完了します。
2.2 macOS版インストール手順
macOS版のHubKitを新規インストールする場合は、以下の手順で簡単にインストールが完了します:
- HubKit Mac版をダウンロード: https://www.gravio.com/jp/download からダウンロードします。
- ダウンロードしたGravioHubKit.dmgファイルをダブルクリックして開く
- Gravio HubKitのアイコンをアプリケーションフォルダーにドラッグアンドドロップする: ダウンロードしたインストーラを実行してHubKitをコピーしてください。
- アプリケーションフォルダーのGravio HubKitをダブルクリックして起動
これだけでmacOS版HubKitのインストールは完了します。
2.3 Linux版インストール手順
2.3.1 Linux (Ubuntu ARM64/AMD64)版でのGravio 6.0.xのインストール手順
Ubuntu 22.04LTS ARM64/AMD64が新規インストールされている環境にGravio 6.0をインストールする手順です。
準備
Gravio 6.0のdebファイルをターゲットの環境にSFTPなどのツールを使用して事前にコピーして、SSHでログインしてください。
インストール手順
-
OSアップデート
sudo apt update sudo apt upgrade -
docker環境のインストール
sudo apt install docker.io docker-compose-v2 -
Gravio 6.0のインストール
- AMD64の場合:
sudo apt install ./setup_gravio_dockerimage_6.0.XXXX-1_amd64.deb -
ARM64の場合:
sudo apt install ./setup_gravio_dockerimage_6.0.XXXX-1_arm64.deb※XXXXはバージョン番号となります -
インストール完了
"N: Download is performed unsandboxed as root as file '/home/synon/setup_gravio_dockerimage_6.0.XXXX-1_arm64.deb' couldn't be accessed by user '_apt'. – pkgAcquire::Run (13: Permission denied)"というエラーメッセージが表示されることがありますが、インストールは完了していますので無視してください。
- 再起動
OSを再起動するとコンフィグレーションマネージャーにアクセスできるようになります。
3. アップグレード手順
コーディネータ・サーバー・ユーザーのための重要な注意事項 :Gravio 5.xでコーディネータサーバを利用している場合は、必ず、コーディネーターのサーバを最初にGravio 6にいかの手順でバージョンアップしてから、ノードのサーバをGravio 6にアップグレードしてください。 (Gravio Cloudをお使いのお客様はお手数ですが弊社営業までご連絡ください。Gravio CloudのサーバをGravio 6にアップグレードする処理を御社のスケジュールをお聞きして、弊社にてアップグレードを行います。)
アップデートインストール後のログインでは、"gravio"アカウントのパスワードは、アップデート前のコンフィグレーションマネージャーで使用していたものが引き継がれます
3.1 Windows版
以下の手順でHubKitをアップグレードしてください。
- C:\ProgramData\HubKit をバックアップする
ProgramDataが隠しフォルダになっている場合は表示するようにしてからHubKitのデータをバックアップしてください。
- HubKitをアンインストールする
Windowsからアンインストールします。
- HubKit Windows版をダウンロード
https://www.gravio.com/jp/download からダウンロードします。
- ダウンロードしたGravio HubKitをインストール
ダウンロードしたインストーラを実行してインストールします。
3.2 macOS版
以下の手順でHubKitをアップグレードしてください。
-
ツールバーに表示されているGravio HubKitのツールバーアプリでHubKitを停止する
-
Gravio HubKit Toolbarアプリを終了する
HubKitが起動している場合は先に終了してください。
- /Library/Application\ Support/HubKit をバックアップする
HubKitのデータをバックアップしてください。
- アプリケーションフォルダーのGravio HubKit4をゴミ箱に入れる
使用しているHubKitを削除してください。
- HubKit Mac版をダウンロード
https://www.gravio.com/jp/download からダウンロードします。
-
ダウンロードしたGravioHubKit.dmgファイルをダブルクリックして開く
-
Gravio HubKitのアイコンをアプリケーションフォルダーにドラッグアンドドロップする
ダウンロードしたインストーラを実行してHubKitをコピーしてください。
-
アプリケーションフォルダーのGravio HubKitをダブルクリックして起動
-
ツールバーに表示されているGravio HubKitのツールバーアプリのメニューから「Gravio HubKit Web UI」のメニューをクリック
3.3 Linux版(Ubuntu AMD64/ARM64)
Gravio 5.xからGravio 6のアップグレードの手順 以下の手順でHubKitをアップグレードしてください。
-
Gravio Configurartion Managerにログインしてください。
-
ログイン後、"Gravio設定"のタブの画面内にある、HubKitバックアップのセクションにあるバックアップボタンを押して、バックアップを作成します。その後、バックアップファイルができるとエクスポートボタンが押せるようになりますので、それを押してバックアップファイルをローカルのPC等に保管してください。
-
Terminalで"gravio"アカウントでUbuntuにログインします。
-
scpなどを使って、Gravio.comのサイトで提供されているインストーラをホームディレクトリにコピーします。 (例 :
scp setup_gravio_dockerimage_6.XXXXX_XXXX.deb gravio@192.168.1.100:) -
以下のコマンドを実行
sudo docker compose down
- 以下のコマンドを実行
sudo apt update
sudo apt upgrade
- 上記のコマンド完了後、以下のコマンドを実行
sudo apt install ./setup_gravio_dockerimage_6.XXXXX_XXXX.deb
-
以下のコマンドを実行
sudo reboot -
Gravio HubKit Web UIにログインしてください。 PCのブラウザから"https:[HubKitのIPアドレス]"といれて、Gravio HubKit Web UIのログイン画面を表示
-
ローカルアカウントの"gravio"でログイン
-
次に"ソフトウェアアップデート"のセクションの"Gravio HubKitソフトウェアのアップデート"の行でアップデートするバージョンを選択して、"インストール"のボタンを押してください。これでHubKitが指定のバージョンにアップデートされます。
-
完了メッセージが表示されたら、アップグレードは完了です。
3.4 Gravio Hub X64
Gravio 5.xがインストールされているGravio Hub X64をGravio 6にアップグレードするには以下の手順を実行してください。
-
Gravio Configurartion Managerにログインしてください。
-
ログイン後、"Gravio設定"のタブの画面内にある、HubKitバックアップのセクションにあるバックアップボタンを押して、バックアップを作成します。その後、バックアップファイルができるとエクスポートボタンが押せるようになりますので、それを押してバックアップファイルをローカルのPC等に保管してください。
-
Terminalで"gravio"アカウントでUbuntuにログインします。
-
scpなどを使って、Gravio.comのサイトで提供されているGravio Hub X64用アップデーターのインストーラをホームディレクトリにコピーします。 (例 :
scp setup_gravio_dockerimage_6.X.XXXX_ghubx64.deb gravio@192.168.1.100:) -
以下のコマンドを実行
sudo docker compose down -
以下のコマンドを実行
sudo apt update sudo apt --fix-broken install sudo apt update sudo apt upgrade -
上記のコマンド完了後、以下のコマンドを実行
sudo apt install ./setup_gravio_dockerimage_6.X.XXXX_ghubx64.deb -
以下のコマンドを実行
sudo reboot -
Gravio HubKit Web UIにログインしてください。 PCのブラウザから"https:[HubKitのIPアドレス]"といれて、Gravio HubKit Web UIのログイン画面を表示
-
ローカルアカウントの"gravio"でログイン
-
完了メッセージが表示されたら、アップグレードは完了です。
4. Gravio Hub X64の設定と運用
4.1 運用方法の決定
最初にGravio Hub X64をどのように運用するか運用方法を決めてください。
- Mainサーバとして運用する: 他のサーバからセンサーデータを収集保管するMainサーバとして使用
- Networked Nodeとして運用する: 他の管理サーバの配下で動作するノードとして使用
4.2 設定手順
ブラウザからGravio HubKit Web UIにログインします。
-
Gravio Hub設定画面でGravio HubのWiFi設定を行い、Gravio Hub X64をインターネットに接続できるようにする
-
運用方法に応じたライセンス取得と設定
- Mainサーバにする場合: Mainライセンスを取得し、Gravioコーディネーターの初期設定を行う
- 注: Mainサーバと設定してもNetworked Nodeの1つとして、センサーデータの取得やアクションの実行を行うことができます。
- Networked Nodeとして利用する場合: NODEライセンスを取得し、このNetworked NodeをMainサーバに登録してMainサーバにセンサーデータを送信するように設定して運用することができます。Networked Nodeとして、Mainサーバを利用せず、このノードだけで運用することも可能です。 Mainサーバに属していないサーバはStandaloneノードと呼ばれます。
4.3 接続方法
有線LAN接続の場合
- Gravio Hub X64のLANコネクターに有線LANケーブルを繋げる
-
このときDHCPが使える有線LANをご利用ください
-
Gravio Hub X64を起動する
- USB-Cケーブルを接続して電源に接続した後に起動ボタンを押す
- DHCPでIPアドレスが割り振られた場合、コンソールにログイン
- Username: gravio
- Password: graviohub
- IPアドレスを「
ip addr」で確認し、ブラウザから「https://IPアドレス」でアクセスする。(このとき、httpsがセルフサインの証明書のため、ブラウザからアクセスしていいかのダイアログが表示される場合があるが、アクセスするの手順でアクセス可能です。ご自身でSSL証明書をお持ちの場合は、Gravio Hub設定の画面で「証明書設定」のセクションで証明書を設定することでこのダイアログは表示されなくなります。)
無線LAN接続の場合
-
Gravio Hub X64を起動する(有線LANケーブルは抜いておく)
-
お持ちのPCでWiFiのSSIDから「GravioHubXXXXXXXXXX」という名称のSSIDに接続
-
WiFiパスワードは「graviohub」
-
ブラウザからGravio HubKit Web UIにアクセスし、WiFi設定を行う
4.4 セキュリティ設定
Gravio Hub X64はUbuntu2204ベースのLinuxOSで動作しています。セキュリティを高めるためにログインアカウントのパスワードを変更することが重要です。
Gravio HubKit Web UIのGravio Hub設定のタブで、Ubuntu(gravio)アカウントのパスワード変更という項目あります。Gravio Hub X64はLinux OSが入っており、このマシンへのLinuxのターミナルでのログインは"gravio"というこのマシンでのローカルアカウントとして登録されています。このため、"gravio"というアカウントのパスワードはこのLinuxのマシンに入るためのアカウントと必要になりますので、このセクションで安全なパスワードをご自身で入力して設定するようにしてください。
注意: 再設定したログインアカウントのパスワードは大切に保存してください。パスワードを紛失した場合にはLinuxにログインできなくなります。
4.5 Gravio Hub X64の同梱品
Gravio Hub X64には以下の付属品が同梱されています:
- Gravio Hub X64 本体
- USB-Cケーブル
- 電源アダプター
- Gravio Zigbee レシーバー
5. 新規インストールとセットアップの注意点
Gravioシステムを初めて導入する場合、以下の点に注意してください:
- 適切なパッケージの選択
-
サーバーソフトウェア「Gravio HubKit」と操作用クライアント「Gravio Studio」の両方が必要です それぞれのご利用されるプラットフォームに対応したインストーラをご利用ください。
-
インストール順序
-
Windows版の場合は必ず先にGravio Studioをインストールしてください
-
ネットワーク環境の準備
- HubKitを動作させるためには、安定したネットワーク環境が必要です
-
DHCPもしくは固定IPが利用できるLAN環境または適切に設定されたWiFi環境を準備してください
-
セキュリティ対策
- パスワードの管理を正しく行なってください。
- Gravio設定タブのHubKitバックアップを定期的に実施してください。
6. アンインストール手順
6.1 Linux版(AMD64/ARM64)のアンインストール
Linux版でGravioをアンインストールする手順は以下の通りです。
LinuxシステムからGravioをアンインストールするには、次のコマンドを使用します。
sudo apt remove ghubupdate
以下のフォルダーのファイルも削除してください。
/home/gravio/.env/home/gravio/docker-compose.yml
以上の手順でGravio HubKitのインストールとアップグレード、および初期設定を完了することができます。